Hermès VS NFT Metabirkin | エルメス VS メタバーキンが繰り広げる戦い

Updated: Mar 12


この記事は音声メディアVoicyにて、美輝エルメが自身のラジオ番組「ニューヨーク/ 未来を変える生き方」でお話している台本の内容を文字に起こし編集したものです。

音声でブログを楽しみたい方は、以下のリンクからVoicyにて美輝エルメをフォローしお聞き下さい。




これまでの経緯

今日は私の別のエピソードで2回にわたって放送した「エルメスVS NFTアーティストのメイソン・ロスチャイルド氏のNFTのメタバーキンをめぐっての争いについて」その後どうなったかという進展についてをお話します。


前回のエピソード


https://www.mikiherme.com/post/metabirkin1



簡単にこれまでの経緯を説明すると、デジタルクリエイターのメイソン・ロスチャイルド氏が、エルメスのバーキンと同じ形のバックをNFTのマーケットプライスOpen Seaで100個限定で売り出し、そのバックにメタバーキンと名付け、一時期高値で取引されていましたが、それを知ったエルメスがブランドを侵害していると訴え、メタバーキンの取り下げをするようにロスチャイルド氏に申し立てをしたというものです。

そしてそれに対し、ロスチャイルド氏は「自分の作品は偽のバーキンを作って売ったものではなく、架空のバーキンを描いたアートワを売っただけだ」と主張し、双方の意見がぶつかり、現在エルメスがロスチャイルド氏に対し訴訟を起こしているという状況です。


Credit: Mason Rothschild

ブランドが持つ品位や希少性を保ちたいエルメス側の主張

今回エルメスがロスチャイルド氏を訴えた主張として、「メタバーキンはBirkinの名前を悪用したブランドの偽の商品と同様だ」また、「エルメスがメタバーキンと何らかの関係があると思われる可能性があり消費者に混乱を引き起こす」と述べています。

それに対してロスチャイルド氏は、「メタバーキンという名前が混乱を起こさないように、エルメスとメタバーキンは関係ないものだ、という免責事項を以前よりきちんと掲載している」と言っています。


エルメスはラグジュアリーブランドの中でもトップブランドに位置付けられるものであり、バーキンも簡単には手に入らない希少性のあるものですよね。

その大きな理由の一つが、使用するレザーから実際にそれをスティッチする職人に与えるトレーニングという細部の部分まで高い品質を保って作られているものだからです。

しかしデジタルで作られる仮想の商品に関しては、こういった品質は関係なく売られることになります。

フォーダム大学のThe Fashion Law Instituteのアカデミックディレクターであるスーザン・スカフィディ氏は「デジタルの仮想な世界では、エルメスが主張する品質や商品の希少性を現実世界のような感じで売ることは出来ない。その代わりに、NFTを介して人工的にその希少性が確立されるのではないか」という意見を述べています。



エルメスはメタバーキンを止めることは出来ないかもしれない⁈

そして現在業界内では、「もしかしたらエルメスはこのメターバーキンをやめさせることは出来ないのではないか」という意見が上がり始めました。

というのもこの件はNFTという今までにない新しいものなので、NFTに関する法律がまだしっかりと定まっておらず、且つNFTは、通常のデジタル画像とは異なり、ブロックチェーン上にある所有権を証明する領収書のようなものだからです。

専門家によると、仮にエルメスが最終的に法廷で勝ったとしても、メタバーキンはブロックチェーン上に存在し続けるので、今すでに出回っているNFTを流通から外すことは困難だとのことです。

一度NFTが作られると、エントリをブロックチェーンから消去することはできないので、可能性としてできることはNFTを「焼き付ける」ことであるそうです。これはどういう意味かというと、アクセスできないアドレスにNFTを転送することのようです。また、エルメスがメタバーキンを燃やすことで決着をつけたとしても、裁判所がそうすることを許可するかどうかは簡単ではありません。

エルメスが要求できるもう一つのオプションとしては、「メタバーキンをNFTのマーケットプレイスで販売できないように作品を落としてもらうこと」です。

最初はこのメタバーキンはOpenSeaで売られていましたが、エルメスからの要請を受け、Openseaではすぐにメタバーキンを除外したですね。

そして現在はLooksRareなどの他のNFTマーケットプレイスで引き続き売られているんですが、現在のメタバーキンは1月22日時点でLooksRarにて約3,600ドル相当で販売されていたようです。以前はOpenseaで約20,000ドルで取引されており、中には約46,000ドルの高値で取引されたもののあるので、こう見ると今価格はすごく落ちています。

しかし逆に、今回この「エルメスVSメタバーキン」として話題性できたので、メタバーキンの価値がより今後上がる可能性があるのではとも言われています。

そうなると、エルメスにとっては、「ブランドとしてイメージダウンに繋がる偽商品が取り出すことのできないブラックマーケットに出回り、しかし今回の話題性で偽物の価値が高まってしまう」という悪循環を呼ぶのではと専門家は語っています。

本当に複雑なこのケースですが、一体このエルメスとNFTアーティストの戦いがどのように決着することになるのか、引き続き注目していこうと思います。

 

この記事は音声メディアVoicyにて、美輝エルメが自身のラジオ番組「ニューヨーク/ 未来を変える生き方」でお話している台本の内容を文字に起こしたものです。

音声でブログを楽しみたい方は、以下のリンクからVoicyにて美輝エルメをフォローしお聞き下さい。



35 views0 comments